44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。48歳になりました。

大腸癌手術前日。入院の準備から手術の準備までいろいろ【がん闘病記08】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の6月初旬ごろに書いたメモをまとめています。

入院するにあたって準備すべきもの

2016年6月。

手術を明日に控え、その準備のために今日から入院している。

とかく入院・手術ともなるといろいろ面倒なこと、用意しなくてはならないものが多い。 

【用意すべき書類など】

  • 入院申込書・医療費支払誓約書・・・これは入院の都度必要になってくるもので本人と家族の署名捺印の他に特に面倒なのが連帯保証人の署名捺印が必要になってくること。僕の場合、入退院を何度も繰り返すことになることが分かった時点で病院からこの書類を複数枚もらって既に結婚して家を出ている妹にまとめて署名捺印してもらった。※連帯保証人の条件としては同居の家族以外で、独立した生計を営んでいる人を求められる。(病院によっては条件は異なるかもしれない)
  • 健康保険証、診察券
  • 医療受給者証など・・・限度額適用・標準負担額(減額)認定証、特定疾患医療受給者証、他医療機関の退院証明書など。今回の入院では手術の内容から医療費が高額になるのは目に見えていたので、限度額適用認定証を事前に用意しておいた。申請は最寄りの町役場の国民健康保険の窓口で行った。

  

書類などの他に持参すべきものも前日からカバンに詰めておいた。

【持参すべきもの】

  • 現在使用している薬・・・僕の場合はいつも使っている左目の眼圧のコントロールのための目薬を持参した。
  • 衣類・・・下着、着替え、ちょっと羽織れる上着など。病院内は基本的には空調が効いているので極端に暑かったり寒かったりはないけど、冬の朝方のロビーなんかはちょっと寒かったりするので念のため羽織れる上着はもっていったほうがいいかもしれない。パジャマは僕の場合は持参せずに病衣(入院用パジャマ)を病院で借りた。1日50円の賃料はかかるけど2日に一度は替えてくれるし、荷物はなるべく少なくしたかったので丁度よかった。
  • 洗面用具・・・洗面器、石鹸、歯磨きセット、コップ、くし、ひげそり、タオル、バスタオルなど。僕の場合、ひげそりは電気シェーバーを持参した。普段はひげを剃るときは入浴中にT字カミソリで剃るけど入院中はあまり入浴はせず、タオルで身体を拭くくらいなので電気シェーバーの方が便利だった。
  • 食事用具・・・スプーン、湯飲み、急須など。僕は持参したプラスチックのコップで食事のお茶から歯磨きまで使った。「吸い飲み(急須みたいな形のもの)」も一応用意したけどほとんど使わなかった。スプーン、急須もほとんど使わなかった。
  • その他用意したもの・・・履物(クロックス)、ティッシュペーパー(箱)、筆記用具(メモとか書置きに便利)、イヤホンまたはヘッドホン(個室以外では必須)、みとめ印(署名捺印は何かと多い)、耳かき・孫の手、携帯電話などの充電器。 

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その他に病院でテレビを見るためのカードも購入したけど、テレビはほとんど見なかったのであまり必要なかった。

でも最近はチャージ式になっていて余ったお金は返金してくれるようだった。

 

手術前の説明で人工肛門など様々な危険性について聞く

そしてたった今、今回の手術を執刀する担当医のウエノ先生と麻酔科の医師から手術の説明を受けた。

ウエノ先生からの説明はまず外科的手術で癌を摘出するのが第一選択で、その後摘出した組織を調べ、癌の進行度を調べるということだった。

あと、危険性のひとつとして、大腸を切除した後、縫合した部分がうまくくっつかずに傷口から胆汁などが漏れ出る場合がわずかではあるがあるということだった。

もしそうなった場合は人工肛門を作らなくてはならないらしい。

とはいえ、それは恒久的なものではなく、症状が改善した後に取り外すようだった。

癌の進行度が上がると生存率は下がる。

やっぱりこういう話は聞いてて恐ろしい。 

自分の生き死にに深く関わることなので、聞きながら背骨のあたりがじんわりと冷たくなってくるような気がする。

 

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僕の癌の進行度が今現在どうなっているかは分からないが、最初に僕の癌を見つけた町医者の先生が言ってた

「わしらはⅡ型と呼んでいるが…」

という言葉が印象に強く残っているので、ステージ2くらいなのかなあと、漠然と考えている。

実際結果が出るまでこんなことは考えてもしょうがないのだけれど、できれば軽いステージであって欲しいとは思う。

手術後のことで気になっていること

あと、先生から何か気になることがあれば聞いてくれというので、手術後はしばらく身動きできないのか聞いてみた。

よくよく考えればもう手術は成功したということを前提とした質問だ。

まったくあつかましい。 

先生からはちょっとびっくりするような、意外な答えが返ってきた。

最近の傾向としては手術後の翌日くらいから差し支えなければ、なるべく立って動いてもらっているとのこと。

寝たきりのままだと血流とかが悪くなり、あまりよろしくないようだ。

 

麻酔科の医師からの説明。全身麻酔に関すること

次に麻酔科の医師から手術の際の麻酔についての説明を受けた。

麻酔の方法としては全身麻酔なのだが、その前に背骨に注射か何かして細い糸のような管のようなものを入れるらしい。(硬膜外麻酔)

その後は酸素マスクみたいなヤツをつけて麻酔薬を吸って麻酔をするとのこと。

なんだかドラマの手術シーンみたいだ。

以前の全身麻酔での手術の記憶

5~6年前に左目の網膜はく離の手術をした時も全身麻酔だったが、その時は僕が覚えている限りでは酸素マスクのようなものは使わなかった気がする。

その時は手術台に横になった後、麻酔科の医師らしき人が来て

「じゃあ、これから麻酔入れていきますねー」

と言うとあらかじめしていた点滴の袋に注射器で麻酔薬のようなものを入れられた。

「痺れとかないですかー?」

と、麻酔科の医師が言うか言わないかくらいで、まさしく点滴を打ってる方の腕が針を刺している部分から肩に向かってしびれてきて、

「あ、なんか痺れてきましたー」

って言った直後には意識はなくなっていた。

麻酔の種類の違いなどよく分からないが今回のマスクで吸入するタイプの方がなんだかおおごとのような気がする。 

そして麻酔の副作用としてまれに頭痛、のどの痛み、声のかすれ、吐き気、嘔吐などがあることも聞かされた。

あと、人によってはぜんそくの発作が出ることもあるらしいので、一応子供のころに「小児喘息」はあったけど大人になってからは発作は出ていないことも告げておいた。

 

病室ではたくさんの書類にサインをしないといけない

麻酔科の医師からの説明を受けたあとはしばらく待ってから入院する病棟に案内された。

病室は4人部屋でこの部屋には今のところ僕を含め3人の入院患者が入っている。

ごそごそと持ってきた荷物を広げていると僕の担当になる看護師さんがやってきた。

担当のゴトウ看護師さん(仮名)が持ってきた書類で初めて正確な病名を知る

担当のゴトウ看護師(仮名)は年齢的には20代の半ばか後半くらいで、看護師さんの中では中堅くらいになるのかな?って雰囲気だった。

身長は小柄なほうで小動物のようなかわいさがある女性だ。

 

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患者を識別するためのバーコードが入ったリストバンドをつけられた後で、

「今のうちに書いといてもらいたいものがあるんですけどいいですか…?」

と入院に関するものや手術に関するたくさんの書類をちょっと申し訳なさそうに出してきたので

「いいですよ」

と看護師さんの指示に従って書いていく。 

〇〇の説明・同意書、入院診療計画書やその他もろもろ…

それにしてもちょっと多すぎじゃないかな?とは思う。

「入院診療計画書」と「手術の説明・同意書」をよく見ると病名の欄に「S状結腸癌」と書かれていたので僕の正確な病名は「S状結腸癌」なんだなあとこの時初めて知った。

 

そりゃあ、するよね。剃毛

午前中のうちに荷物の整理や必要書類の記入・署名が終わってひと段落着いた。

とりあえず病室のベッドに腰かけてボーっとする。

看護師さんの出入りが多少あるものの病室内は基本的には静かだ。

同じ病室に入っている人や同じ病棟ですれ違う人を見て思う。

「ああ、この人たちも癌なのかなあ」と。

 

昼食にコンビニで買った卵サンドを半分食べ、一緒に手術の説明を聞きに来た母を帰らせたあと、病室でしばらく待っていると担当のゴトウ看護師さんが来た。

これからおヘソの掃除と下の毛を剃るという。

はあ…、薄々覚悟はしていたがやっぱりか。

看護師さんが若い女性であるということが唯一の救いだ。(なんのこっちゃ)

とりあえず断るわけにもいかないので了承して、ナースステーションのとなりにある「処置室」と書かれた小さな部屋に案内される。

既に用意はされているらしく、これから僕が横になるであろうと思われる小さめのベッドの上に敷いてある新聞紙がなんだか生々しい。

バリカンだとは知らなかった…

看護師さんの指示でその上に仰向けになってパンツを膝まで降ろす。 

「では始めますね?」

看護師さんの声のあとにブイーンとバリカンの音が狭い部屋の中に響く。

最近はカミソリではなくバリカンなんだ。

とすこし可笑しくなる。

とはいえ股間の周りの毛を処理する看護師さんの手元は恥ずかしくて見れないので本当にバリカンかどうかはさだかではない。

 

「足開けますかー?」

という看護師さんの声に恥ずかしながらも従う。

内腿から肛門付近の毛も容赦なく刈られる。 

 

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えーこんなとこまで刈られるのかー。

と思っていると、考えを見透かされているのか

 

「こんなとこまで刈るなんてって思ってますー?一応、感染とか怖いんでー、念入りに処理するんですよー」

 

とのこと。

恥ずかしながらも剃毛は無事終わり、その後は風呂に入ることになった。

手術後はしばらく入浴できないのと剃毛した部分を洗い流すのが目的だそうだ。

下剤をしこたま飲む時間

そして入浴後に一息ついていると、いよいよ下剤をしこたま飲む時間がやってきた。

以前も飲んだことがあるから分かる。

これはしこたまマズい。

最初、口に入れた瞬間はスポーツドリンクぽいのだが後味がしょっぱいし苦い気がする。

だから味としてはスポーツドリンクに塩まぜてからなんか苦い薬をちょっと足したような感じだ。

1リットル飲み終わったくらいから水のような便がジャージャー出るのだが、出るたびに看護師さんを呼んで残渣(消化残りカス)確認のため便を見てもらわなくてはならない。

それはまるでやっとひとりでトイレができるようになった幼児が

「お母さん出たー」って呼んでるみたいで、心の根っこの方の大事な部分が少し折れたような気がした。

 

その後はマズい下剤を飲んでは出し飲んでは出しの繰り返し。

いい加減疲れた。

明日はいよいよ手術になる。

もしかしたらこれが僕の書く最後の文章になるかもしれない。 

人生の最後に書いた文章が下剤と便の話っていうのもちょっとイヤだなあ。