44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。

タカおじさんの片肺はほとんど癌で埋め尽くされていた【がん闘病記102】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2016年の12月初旬に書いたメモをまとめています。

10クール目の抗がん剤投薬後から7日経過

2016年12月。

抗がん剤の副作用で今日はなんだか調子が悪い。

下痢などはしてないが倦怠感が昨日に比べて酷い気がするし、少しお腹も痛い。

こういうぶり返しみたいな症状は今までもあったから、そんなに驚くほどのことでもないけど、やっぱりお腹が痛かったりすると自分の体内の癌が何か悪さをしてるんじゃないか?とネガティブな感情が出てきてしまう。

こんな時はさっさと寝てしまうのが一番いいんだろう。

 

副作用のぶり返しはたいしたことなかった

10クール目の抗がん剤投薬後から8日経過

今日は昨日に比べて調子がいい。

抗がん剤の副作用のぶり返しはそんなには続かないようだ。

舌の痺れ、発疹や指先のひびわれなどの肌の疾患はあるが下痢も便秘もないし倦怠感も昨日ほどではない。

これからはゆっくり少しずつ調子が良くなっていくだろう。

これまでのパターンからすればだけど。

 

僕の元気の度合いを測るバロメーターとは

10クール目の抗がん剤投薬後から9日経過

少しづつ少しづつではあるが抗がん剤の副作用から復調している。

最近気づいたことで自分の元気のバロメーターを測るのに

「未開封のペットボトルを開けるのにどれだけ手こずるか」

で元気の度合いが分かることに最近気づいた。

指先の痺れとかがあるのも関係しているが元気がないときはホントにペットボトルすらうまく開けられない。

ゴム手袋でもしようかって思うくらい指先に力が上手く入らない。

でも、元気が出てくると結構すんなり開けられるのでペットボトルが開けられないときは

「ああ、今は元気がないんだな」

と、判断してあまり無理はしないようにしている。

 

タカおじさんの検査結果

今日は先日緊急入院した叔父、「タカおじさん」を大きな病院に転院させ、そこで詳しい検査を受けることになっていた。

母を連れて移送先の総合病院まで行き、担当医から検査結果の内容を聞く。

検査の結果、レントゲンを見ると片方の肺は真っ白でほぼ癌細胞で埋め尽くされ、逆の肺にも少し転移しているようだった。

喀血があるらしくときおり血を吐いていることもあるとのこと。

喀血なんてドラマだけの話だと思っていたが実際に目の当たりにするとなんだか恐ろしい。

これから癌の組織を取ってみて治療方針を決めるみたいだけどどうなるか分からない。

予想していた一番よくない方が的中したみたいだ。

しかしなんでこうなる前にタカおじさんは病院に行かなかったのか。

ずっと前から体調はよくなかっただろうし、さまざまな兆候は以前からあったはずだ。

めんどくさかったのか、事実を知るのが怖かったのか、もうこのまま死にたいと思っていたのか。

それは本人に聞いてみないと分からないことだけど、周りの者からしたら「もうちょっと早くなんとかしとけばよかったのに…」と悔いばかりが残る。

 

タカおじさんの容体が急に悪くなる

10クール目の抗がん剤投薬後から10日経過

僕の今日の体調は昨日とさほど変わらず、とりたてて悪くもなってないし劇的によくなっているわけでもない。

微妙に昨日よりかはマシになっている程度だと思う。

 

夕方、タカおじさんのところに母と2人で見舞いに行く。

昨日とうって変わって容体が悪くなっていることに驚く。

医師からの話によると片方の肺はほとんど癌に浸食されていて大きな腫瘍も見つかったとのこと。

そして原因は不明だがあばら骨も折れているそうだ。

足元がおぼつかなくなってから自宅で転んだりしていたのだろうか?

医師からは

「ここから容体が急変することもありますのでそうなったら連絡します。ですから電話には注意しておいてください」

と言われた。

タカおじさんのそばには重篤患者がつけるような脈拍、血圧、心拍数が計測されるものものしい機械が据えられていて、その他にも腕には点滴、鼻には酸素、胸から血痰を直接とるような管がそれぞれつけられていた。

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タカおじさんが何か伝えたそうに口を動かすが何を言っているのかが分からない、うまくしゃべることができないようだ。

一緒に行った母に「ここはどこ?」と聞いていて意識も混濁しているように見えた。 

タカおじさんの姿が他人事のように思えない

「ちょっとトイレに行ってくるからこれ持ってて」

と、母が病院からもらったたくさんの書類を僕に預けていったので、それとなく目を通すと検査やら処置の承諾書の類がたくさんあった。

その中に「心肺停止時の蘇生処置についての同意書」とかもあり、見てて恐ろしくなってしまう。

書類だけじゃない、今のタカおじさんの姿を見ているとホントに恐ろしくなって気が滅入る。

今現在まさに抗がん剤治療を受けている癌患者である僕にとって、あらゆる癌は他人事ではない。

大きく分類すると僕はタカおじさんと同じ「癌患者」というカテゴリーの中に入る。

それゆえにタカおじさんのことを他人事として受け流すことができない。

僕も癌の末期になるとこうなるのかと思うと恐ろしくてたまらなくなる。

悲しくて悔しくてたまらない 

今のタカおじさんの状態は末期も末期、終末状態だ。

医師によると体力も無いのでとても抗がん剤治療には耐えられないだろうし、あとは痛み止めを処方する以外は手はないだろうとのことだった。

抗がん剤治療に体力が必要なことはこれまで抗がん剤の副作用でさんざん苦しんできた僕には痛いほどよく分かる。

苦しそうに血痰を吐くタカおじさんの姿が自分と重なって恐ろしくなる。

気が滅入る。ひどく落ち込んでしまう。

僕は今にもこと切れそうなタカおじさんの姿を見て悲しい気持ちになると同時に悔しい腹立たしい気持ちにもなった。

タカおじさんは自分の癌を寸前まで放置していた。

見ないようにしていた。

そのことに気づいておきながら行動を起こそうとしなかった。

どうしてこんなになるまで放置していたのか。

これでは希望も何もないじゃないか。

ただ苦しみながら死を待つだけなんて悲しすぎる。

今のタカおじさんの姿は僕にとって衝撃が大きすぎる。

ただ悲しい。

ただ悔しい。

ただただ腹立たしい。

見ているだけで悔しくて奥歯を噛みしめてしまう。

これからのことを考えるだけで涙が出そうになる。