44歳の僕がステージ4の大腸がんと診断されて

2016年大腸がん発覚。手術後、腹膜への転移が確認されステージⅣだと告知される。その後半年間に及ぶベクティビックス抗がん剤治療を受ける。2018年12月がん再発。アバスチン抗がん剤治療を受ける。

ネガティブなニュースがふたつ。ポジティブなニュースひとつ【がん闘病記143】

この記事ではヨシノ (id:yo_kmr)が2018年の11月下旬に書いたメモをまとめています。

経過観察の血液検査とCT検査

2018年11月。あと1ヵ月と少しで2018年も終わりを告げようとしているころ。

 

今日は経過観察の検査でいつもの総合病院に来ている。

すでに血液検査の採血とCT検査まで終わり、あとは検査結果を聞くための問診に呼ばれるのを待合ロビーで待っている。

今年の5月に再発の兆候が発見されてから2ヶ月ごとの検査では問題の部分は「変化なし」ですんでいたが、正直今回はかなり不安だ…

その理由として、1週間前からあまり体調が良くない。

特にどこが痛いとか苦しいということはないけど、なんとなくだるいというか倦怠感があるようで元気がない。

熱も高くなく、喉の痛みや咳も出ないのでたぶん風邪ではないと思う。

加えて食欲もなくてたまに軽度の吐き気というかゲップが上がってくる感じもある。

それとちょっと気になるのがお尻の奥にたまに違和感を感じる。

大腸癌の手術をした時、手術後しばらくはお尻に便を取るための管が入っていたのだけど、その時の感覚に似ている。

「もしかしたら癌が増殖しているのか?」

そんな不安で頭の中はいっぱいになっている。

もしかしたら精神的なものかもしれないし、考え過ぎなのかもしれない。

そして数日前、最近2週間に1度通っている鍼灸院で体調のことを相談してみた。

鍼灸の先生によると

「季節の変わり目なので自律神経のせいかもしれません」

と、言っていたがそうであって欲しい。 

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ネガティブなニュースふたつ

そして今、問診が終わった。

結果から言うと、CTの検査で以前から気になっていた骨盤内の腫瘍が大きくなっているみたいなので2週間後に今度はPET-CTの検査をしてその腫瘍が癌かどうか判定するとのことだった。(PET-CTとは簡単に言うと癌細胞が吸収しやすい薬剤を体内に注射してからCT撮影をする検査。通常のCT検査より癌細胞が写りやすい) 

もしその部分が癌であればまた化学療法である抗がん剤治療をしなければならないと担当医のウエノ先生は言う。

化学療法と外科的手術ではどちらがいいのか?

先生の説明によると僕の場合、一番初めは大腸のS状結腸内に癌ができてその癌は大腸を突き抜けて腹膜に散らばっていた。

腹膜播種(ふくまくはしゅ)という状態。

2016年に行った外科手術でお腹を開けたときそのことが判明して、大腸の癌を切除するとともに腹膜にひろがった癌も出来るだけキレイに掃除はした(たぶん癌を取ったということだと思う)けど、細胞の一粒でも残っていて条件が揃えば癌はそこからまた大きくなる。ということだった。

だから今回CTで腫瘍が見つかったとしてもまだ他に目には見えない大きさでがん細胞が潜伏している可能性はある。

それに外科的手術をして腫瘍の一部を切り取ったとしても、また他の部分から癌が出てくるパターンもあるらしい。

そういった理由から体内の細胞全てにアプローチしていく化学療法のほうが有効だと先生は説明してくださった。

抗がん剤治療はどの薬が有効か経過を見ながら試していくという。

これらの説明を先生は努めて明るい柔らかな表情でしてくださった。

だけど先生が説明の途中に言った

「使えそうな薬はまだたくさんありますから」

という言葉に僕の心は一瞬暗く曇った。

先生はポジティブな意味合いで言ったのだと思うが、それは裏をかえせば「効きそうな薬がこの先どんどん減っていくかもしれない」ということなのでは?と考えた。

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先生のこれまでの経験上、効く薬がどんどん減っていって手の施しようがなくなっていく患者さんを何人も見てきたんじゃないのか?

そんな想像を一瞬だけしてしまった。

PET-CTの検査をしてみないと何とも言えないと思うが、先生の感じから察するに僕のがん再発の可能性は高いと思う。

ウエノ先生の退職

そしてもうひとつ残念なニュースがある。

それは担当医のウエノ先生が今年いっぱいで病院を辞められる予定だということ。

 

「ヨシノさんには申し訳ないんですが、今年いっぱいで病院を辞めることになりましてね…」

先生は見た感じまだ50代後半くらい。定年退職には早いんじゃないかと思った僕は

「えっ!先生もしかして開業なさるんですか?」

と、聞くと

「いえいえ、身体を壊してしまいましてね、ヘルニアでもう腕が上がらないんで手術を執刀することができなくなったからなんですよ。最後まで診れなくてすいません…」

と答えていただいた。

「いえ、先生のお身体の方が大事ですし、最後までって言ったら僕もう死んでますよ(笑」

と自虐的なジョークも付け加えた。これには同席していた看護師さんも苦笑い。

先生のことは第二のお父さんのように思っていた 

正直、先生が病院を辞められるということはショックだ。

残念だけどこればっかりは仕方がない。

でも先生には感謝でいっぱいだ。

僕の実の父はもうこの世にはいないけど、ウエノ先生のことは「第二のお父さん」のように思っている。

僕にもう一度命を与えてくれた大恩あるお方だと思っている。

そんな先生が病院を辞められると聞いて正直さみしい。

とても頼りにしていた道しるべが無くなってしまったように感じる。

なにはともあれ先生の健康、お身体が一番。

病院をやめられた後もご壮健であられることを願ってやまない。

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ポジティブなニュース

そしてポジティブなニュースとしては血液検査の結果は良好で特に問題も無く。

腫瘍マーカーの数値も範囲内ということだった。

特に炎症があるわけではないのでここ一週間のうち感じていた体調の悪さはやはり「季節の変わり目からくる自律神経のせい」なのかもしれない。

そしておしりの奥に感じていた違和感のことを先生に相談すると、今回腫瘍が大きくなっている部分とは関係ないところだそうなので僕の気のせいの可能性が高いみたいだ。

ただ先生が言うには、この腫瘍マーカーの数値は絶対的な指標というわけでもないので数値が範囲内だから癌がないということでもないらしい。

実際にはCT画像の方で見えている画像の方が信ぴょう性があるのでそちらの方を問題視するのは当然だと思う。

リザーバーが機能するかどうか確認

先生は問診の最後に僕の身体に埋め込まれたままになっている「リザーバー」がまだきちんと機能するか生理食塩水か何かを注射をしてみて確認しましょうとのこと。

リザーバーとは2年前に抗がん剤治療をしたときに使っていたもので、僕の右鎖骨の下の方には500円玉くらいの大きさの装置が皮下に埋め込まれている。

そしてこの装置を介して抗がん剤を体内に投薬していた。

 

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見た目にはその部分は少しだけポコっと出ているが、服の上からでは分からない感じ。

先生によるとながらくリザーバーを使わないで放置していると、たまに血液が凝固して使えない場合もあるらしい。

そして僕の場合は注射をしてみたら大丈夫なようでちゃんと機能するようだった。

そしてこの日の問診は終了した。 

 

リザーバーについての疑問を薬剤師さんに聞いてみた話

www.44cancer.com

現実味を帯びてきた「がん再発」

おそらく先生の感じからして「がん再発」ということはかなり濃厚な感じがする。

「再発」という2文字は僕を激しく落ち込ませる。

苦しかった抗がん剤治療も終わり、人並みに生きれると思っていた矢先にまた癌患者として「身近に感じる死」を背中にしょって生きていかないといけない。

甘かったんだろう。

僕の生き方が。

油断してたんだろう。

生活の態度が。

それに出ていた。

でも、

できることはまだまだある。

僕は生きる。

生きて幸せな癌患者として末永く生き抜くんだ。